長持ちさせる方法としては、最も腐りやすい束や根太など甲板の下の部分に防腐加圧処理材か耐朽性の高いヒノキ、ヒバ材を使い、これらの辺材ならびに甲板に油性防腐薬剤を定期的に塗ります。とくに入念に塗布するのは材の小口、干割れ部分、甲板が根太と接する部分です。耐用年数は樹種や手入れ方法によって異なりますが、手入れが良ければ10年以上長持ちするでしょう。
- 柱など木のシミの種類には、手あかによるもの、木のヤニ(樹脂)によるもの、カビの類が繁殖して、それが分泌した色素によるものなどがあります。
手あかによるものは、洗剤を入れた湯を布にしみこませて強く拭けばほとんど消すことができます。ヤニは、日射や暖房によって木が暖められ、膨張した内部の空気によって表面を押し出されてきます。ベイマツ、カラマツ、アカマツの柱やスプルースの内装材などに生じます。
ヤニはベンゼンかアルコールを布につけて拭きとります。カビの類が繁殖して黒色または緑色の変色が残っているものは、洗剤や溶剤で拭いても簡単にとれません。とくに生丸太の時に侵入した菌による汚染は材の内部まで変色しているので処置はできません。この種の汚染は菌が分泌したメラニン色素などの色素が沈着したもので、表面のみでなく材内部にも及んでいるので、漂白剤で表面を処理しても内部の変色は取れません。この汚染を取るには酸化力の強い次亜塩素系漂白剤が適しています。その類に属する薬剤としては次亜塩素酸ナトリウム、さらし粉などがあります。過酸化物や、亜塩素酸系の漂白剤では除去できません。
- 柱など木のシミはどのような原因によるものであっても、取除くことが非常に困難な場合が多いので、新築の際に人の手がふれ易い部位には透明ラッカーを塗布しておくか、ワックス系の保護剤を表面に刷りこんでおくことを勧めます。木材の表面の薄い膜を作って保護しておけば、手あかや汚水がついても、また、カビなどが繁殖しても内部にしみこむことが少ないから、布で拭けば簡単に取り去ることができます。
財団法人 日本木材総合情報センター 「木材利用相談 Q&A 100」より