住宅建築の合理化で建築工期が短くなればなるほど、使用木材の乾燥が必要となり、乾燥材による精度の高い加工と出来上がりを期待して、集成材の利用が急速に進んでいます。さらに長大材による大架構造、構造強度、加工手間の節約、材料節約など多くのメリットがあることも集成材の利用が進んでいる理由の一つです。
- 最近、木造軸組構法の住宅にも構造用大断面集成材や構造用中断面集成材が利用されるようになってきました。その第一の理由は、一般製材と異なり、集成材は十分に乾燥された材料から造られているので、精度の良い建物の材料に必須条件の狂いのない、しかも均質な材料となっているからです。また、長大材が容易に入手できるようになったことがはいけいにあります。第二に、木造三階建てなどの高さのある住宅を建築する際に、構造強度を確保しやすい長い通し柱を得るのに容易であるからです。第三に長大材を使うことで仕口加工を減少することができ、加工手間を節約することが出来るからです。第四に、強度の強い大断面の柱、梁によって、木造ラーメン構造が可能となるので、地震に強い建物とすることが出来るからです。
さらに製材はその長さ3mまたは4mが一般的であるので、材料に無駄が生じることがあるのに対し、集成材では注文生産が一般で、無駄を少なくできるからです。
- これらを総合すると、単価は高いものの、むしろコスト低減の有力な手法になると見込まれるから有用されるようになってきました。
財団法人 日本木材総合情報センター 「木材利用相談 Q&A 100」より